ゆとり世代を特徴化するのは悪しき差別
「これだからゆとりは・・・」なんて言葉、
聞いたことありませんか?
私の周りでは、リアルではめったに聞きませんが、
ネット上ではよく見かけますね。
ほとんどが悪い意味で使われていますが、
これって、単に「バカ」、「アホ」などの悪口と違って、
差別用語と言えるのではないでしょうか。
ゆえに、ネット上とはいえ軽々しく使われて、
氾濫している現状は非常に好ましくないと私は思います。
なぜ差別用語と言えるのか
「ゆとり世代」を悪口で使うと
なぜ差別用語になってしまうのか・・・。
それは、ゆとりに当てはまるかどうかが
「生まれた年」だけで決まってしまうからです。
典型的な差別用語(悪い意味で使われる場合に限る)として
- 「クロンボ」
- 「身障」
- 「バカチョン」
- 「かっぺ(田舎者)」
などが例として挙げられますが(少し古いかな?)、
これらはそれぞれ、
- 生まれながらの肌の色
- 先天的な障害
- 生まれた国
- 出身地
が主な理由です。
言うまでもなく、これらは
当人にはどうしようもないことです。
どんなに誠実な人であっても、
肌が黒いだけでクロンボとバカにされ、
がんばって都会に慣れようとしていても
育ちが田舎というだけでかっぺとバカにされる。
理不尽ですよね。
「ゆとり」も同じだと思いませんか?
少し空気が読めなかったり、ミスをした人間がゆとり世代だと
分かっていたら、とりあえず「ゆとり世代だから」とバカにする。
そもそも、何の落ち度が無くとも、何か気に入らなければ、
使い勝手のいい悪口として使われることもあるでしょう。
「ゆとりだから空気が読めないんだ、無能なんだ!それが特徴なんだ!」と
反論する人もいるかもしれませんが、
「じゃあゆとり世代じゃない人は皆優秀なのか」、といったら
そんなことはないですよね。
仮に学力低下が問題視された事実があったとしても
(学力低下の話自体、真偽は怪しいようですが)、
考え方や能力は十人十色なのに、
一括りにバカにするのはあまりに乱暴。
結局のところ、生まれた世代の「特徴の決めつけ」による差別に
他ならないと言えるでしょう。
考え方の変化はゆとり世代に限らない
「ゆとり世代だから、ああだこうだ」と特徴化する人もいるようですが、
考え方や慣習は時代と共に変化していくのが当たり前です。
私が10代だった頃も、30代の今でも、
「最近の若い連中は・・・」というフレーズは無くなりません。
「最近の若い連中は・・・」って今言ってる世代も、
若い頃は言われる側でしたし、
もうすぐ私自身も言いはしないにしても、思う側になるでしょう。
また、最近では「会社の飲み会」に付き合おうとしない若者、
などが話題になり、賛否両論あるようですが・・・。
こういうのはゆとり世代だけに限らず、
新しい世代で問題化しつつ常識が変化していくものです。
「残業するのが当たり前、定時で上がる奴は空気読めてない」
のムードなんかも変わりつつありますしね。
まぁ、実際に統計を取ったとしたら
ゆとり世代特有の特徴はあるかもしれませんが、
少し上の私の世代にも、バブルを生きた世代にも、
悪い意味での特徴が無いわけないんですよね。
戦後の人だから頭が固くて頑固すぎる、とか
バブルを生きたから苦労知らずで金遣いが荒い、とか
就職難を生きたから暗い、とか
良い特徴にもなりうることでも、
悪く取ればいくらでも悪口になるわけで。
差別用語は言われた人以外の気分も悪くする
先ほど挙げた「クロンボ」や「身障」ですが、
これらの言葉は特に重いので、嘲笑だろうが本気だろうが、
実際に悪口として使っている人がいたらドン引きでしょう。
これは多くの人がそう感じるところではないでしょうか。
「ゆとり世代」も程度の差こそあれ、私自身は差別用語だと思っているので、
ネット上であっても、見かけると気分が悪くなります。
私はゆとり世代の数年上の世代なので、
ゆとり世代には当てはまらないのですが、そんなのは関係ない。
ゆとり世代に生まれても、一生懸命まじめに生きているのに、
「これだからゆとりはなぁ・・・(呆れ」なんて言われたら
誰だって多かれ少なかれ、
怒るか気分が沈むかしてしまうでしょう。
ゆとり世代の特徴に「空気が読めない」が
入っているかはわかりませんが、
他人の気分を害する可能性のある差別用語を使う人が
一番空気読めてない。
というわけで、もし軽い気持ちで「ゆとり世代」という言葉を
悪口として使っている人がいたら、やめましょう。
それ、悪しき差別ですよ。
この記事へのコメントはありません。